2013年10月18日金曜日

尻別岳

【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月18日】


 北海道の「尻別岳」(しりべつだけ)に「留寿都コース」から登ってきました。この山は標高1107.4mで、羊蹄山の南東およそ10km、洞爺湖の北方およそ15kmに位置します。この山は入植当時、羊蹄山の別名「後方羊蹄山」(しりべしやま/こうほうようていざん)に対して「前方羊蹄山」とも呼ばれました。この山の頂上は留寿都村、喜茂別町、真狩村の町村界になっていて、南側のふもとにはルスツリゾートが展開します。

 尻別岳は、「橇負山」(そりおいやま / 標高715m)と稜線でつながっています。登山コースはその橇負山の頂上付近からスタートします。登山ポストはそこにあります。なお、その尻別岳登山口へ至る農道林道入口は、道道257号線沿いにあります。初めてだと少し分かりにくいかもしれませんが、入口には赤白の注意看板が有り、『当場では、種子ばれいしょを生産しています。ジャガイモシストセンチュウの汚染防止の為、農場内に立入禁止と致します。』と書かれています。よく見ると、雑草と電柱の陰に「尻別岳入口」の看板もあります。ここから入って、ジャガイモシストセンチュウ防除用のタイヤ洗浄槽に車両をゆっくり通し、道なりに進みます。




 この日は快晴で気温が上昇し、数日前に降った初雪が解け出してぬかるみ、斜面では手がかりも無く足元が滑って苦労しました。雨の直後も同様だと思われます。特に下山時にはストックがあると助かるでしょう。尻別岳の頂上からは、360°遮る物がなく、本日最大の目玉とも言える羊蹄山をはっきり目の当たりに出来ました。尻別岳はまさに羊蹄山専用の展望台と言っても良いでしょう。羊蹄山から左へ視線を送ると、遠くに昆布岳、内浦湾(噴火湾)、洞爺湖と有珠山、オロフレ山、ホロホロ山と徳舜瞥山、白老岳、樽前山と風不死岳、恵庭岳、狭薄山と札幌岳、中岳と無意根山、余市岳。そして、足元にはルスツリゾート全体を俯瞰でき満足しました。昼食がいつも以上に美味しく感じられました。

 下山時の橇負山で、その上空を静かに浮遊するパラグライダーを見ました。実は橇負山の頂上は、夏には展望台になり、車でその頂上まで行くことが出来ます。また、パラグライダーなどの発射場としても最適で、よく利用されています。今回の登山口は、そこの直前にある訳です。また、橇負山の頂上は、冬にはルスツリゾートのスキーゴンドラの山麓停留場になります。ルスツリゾートでは、この山をスキー場として使用しており、格好をつけて「ウエスト・マウンテン」と称しています。そして、橇負山からルスツリゾートを挟んで対岸にある「貫気別山」(ぬっきべつやま / ぬきべつやま)も、ルスツリゾートがスキー場として使用しており、格好をつけて「マウント・イゾラ」と称しています。貫気別山の頂上には「ヌキベツ国有林」と書かれた標識があり、山の西側には「ポンヌキベツ川」があります。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月18日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


■追記:

 残念なことに、この撮影の8日後の2013年10月26日午前10時半ごろ、橇負山山頂を離陸したタンデム(2人乗り)のパラグライダーが墜落し、パラグライダースクール代表でインストラクターとして操縦していた飛行歴50年のMさん(75)が間もなく死亡しました。また、体験フライトの客としてMさんの前部に搭乗していた仙台市の大学生S子さん(21)が肋骨骨折などで重傷を負ったそうです。Mさんのご冥福と、S子さんのご快癒をお祈りいたします。



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2013年10月4日金曜日

西クマネシリ岳


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月4日】


 北海道の「西クマネシリ岳」に登ってきました。この山は標高が1,635mで、十勝三股盆地の東側に位置し、上士幌町と足寄町の町界にあります。なお、「大雪山国立公園」の東側の区域界にも位置していますが、山頂自体は区域界から数十メートル外に外れているようです。私は2000年夏にも今回と同じ「音更川右股三の沢コース」から登っています。

 十勝三股を通る糠平国道(国道273号線)沿いに林道入り口があります。そこには西クマネシリ岳を示す案内板はありません。単に「シンノスケ3の沢林道」と書いてあるだけです。そこから入って到着した登山口には4台分ほどの駐車スペースが有り、登山ポストはありません。ここから尾根取り付き点までは作業道跡を辿ります。13年前はもう少し作業道らしく整備されていたような記憶がありますが、現在は土石流で削られたり雑草倒木などで荒れて風光明媚なコースではありません。でも、十勝三股の深い森の中に立ち入る喜びが感じられます。途中分岐が2箇所ほどありますが、誘導標識が地面に転がっていたり全く何も無いところがあります。ピンクリボンに十分注意してください。尾根取り付き点の入り口も通り過ぎないように注意して下さい。コース自体は難しく有りませんが、頂上直下ではちょっとした断崖渡りのスリルを味わえます。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】




 この日は低気圧の影響による強烈な北西風で、頂上直下にはツララが成長していました。頂上からは西方向に十勝三股盆地を挟んで対岸の「ウペペサンケ山」、「ニペソツ山」、「十勝連峰」、「石狩岳」、「音更山」、「大雪山」などが屏風のように客観できました。そして東方向に隣のクマネシリ岳とその東側からおよそ8kmに渡って延びる不自然なほどに長く平らな尾根を客観できました。このクマネシリ岳の東尾根は地図で見ると「し」の字型で、今回の再登頂の大きな目的でした。風は強いものの天気はまずまずで、ハッキリスッキリと見渡すことが出来たので大いに満足できました。この日は、私以外に親子らしき年配の男性と若い女性の二人連れだけが登って来られただけの静かな山行となりました。お二人は私より先に下山されましたが、娘さんがわざわざ一旦戻ってこられて挨拶をしてくださったのが印象的でした。


 ところで余談ですが、西クマネシリ岳の北西に隣接する山の名前は地図では「ピリベツ岳【Piribetsu dake】」ですが、その北東から始まる「美里別川(びりべつがわ)」の源頭にある山なので、「ビリベツ岳【Biribetsu dake】」と呼ぶのが正しいのではないかとずっと思っていました。美里別川中流の足寄町内には「ビリベツ取水堰」が、また、下流の本別町内には「美里別(びりべつ)」という地区名もあります。また、三国峠の展望台にある観光案内板には写真付きで「ビリベツ岳」と書かれています。登山道途中の分岐の誘導標識にも「ビリベツ岳」と書かれています(2013年10月4日現在)。半濁音【Pi】と濁音【Bi】の違いは大きいです。由来が同じなら、名称も統一すべきではないかと思いました。

 国土地理院に確認したところ、『当院の地形図に表記する山名等の自然地名については、当該自治体の公文書(地名調書)を基に採用しております。お問合せの山名については、上士幌町から「ピリベツ岳」であることの確認をいただいており、それに基づき表記しております。』とのことでした。このことから、上士幌町に確認したところ、『公文書の地名調書の通り正式名称はあくまでも「ピリベツ岳」となります。しかしながら、地元や住民たちの訛りや言いやすさにより、口語でビリベツと認識されていることも事実です。地元のガイドセンターによりますと、確かに日高地方では統一されているところが多いですが、十勝は広域なためか統一されていない事もあるとの事でした。大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが、この違いを楽しんでいただけたら、との事でした。また、三国峠の展望台にある観光案内板に関しましては表記ミスとなります。大変なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。登山道途中の誘導標識に関しましては、非公式との事で、何かしらの対策が必要となりますので、今後検討させていただきます。いずれにしましても、名称の訂正の件も含めましてガイドセンターや上層部には報告しておりますが、地名変更、訂正につきましては慎重に対応を進めていく案件となります。今すぐ明確な回答ができない事を重ねてお詫び申し上げます。』とのことでした。防災安全上からも、町によって名称が違うのは如何かと思います。時間と労力とお金がかかるかもしれませんが、ぜひ解決をお願いしたいところです。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月4日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。こちらをクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



■追記1:

 西クマネシリ岳に登る前に、層雲峡近くから早朝の大雪山を見上げて来ました。秋と言っても既にうっすらと新雪が積もっていました。その美しさたるや、カナダかどこかの外国に居るような錯覚に陥るほどのものでした。そのあと、三国峠にも立ち寄りました。以前にも書きましたが、ここからは十勝三股盆地の広大な国有林を一望することができます。十勝三股盆地は、太古には支笏湖のようなカルデラ湖だった所です。およそ50万年前、ここにあった火山が大爆発を起こして山体が吹き飛び、直径約10kmの「十勝三股カルデラ」が出現しました。そしてそこに水が溜まってカルデラ湖となっていましたが、その後のニペソツ火山群の火山活動による高温の火砕流の湖への突入堆積で完全に埋まってしまいました。広大な盆地状となった大地には徐々に植物が勢力を拡大し、やがて現在のような大樹林地帯へと変貌を遂げたのです。近代になり、あたかも枯渇することの無い林業資源であるかのように認識されたこの大樹林地帯は、特に戦後の木材需要で林業、鉄道、関連サービス業などが盛んになり、一時は十勝三股駅(海抜約660m)を中心に400戸1500人の大型集落にまで発展したのです。しかしその林業も現在は衰退し、国道273号線の開通で鉄道は廃線となり、二戸が残るのみで廃墟と土場跡が深い森の中に飲み込まれつつあるような状況です。三国峠から見る広大な十勝三股盆地の国有林は、ただ静かに秋の色に染まっているのでした。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月4日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年10月4日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



■追記2:


 この撮影直後の台風26号により、十勝三股盆地周辺の林道は下記参考1のとおり通行止めになっています。ですので、行かれる方は事前に下記参考2でご確認されることをお勧め致します。


(参考1:「東大雪地域の登山口に通じる主な林道の状況について(PDF/80KB)」)
http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/pdf/131023higasitaisetutiiki.pdf


(参考2:「登山等に関する通行規制等について」)
http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/nyurin_kisei.html


その他参考:

大雪山国立公園連絡協議会 「大雪山国立公園」


 環境省 「大雪山国立公園」


環境省 「大雪山国立公園 区域図(PDF2.32MB)」



2013年9月6日金曜日

楽古岳 (ガスの頂上)


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年9月6日】


 北海道の「楽古岳(らっこだけ)」に「メナシュンベツ川コース」から登ってきました。この山は浦河町と広尾町の町界に位置する標高1,471.5mの山です。この山は特に西側から見ると、ピラミッドのキャップストーンのような頂上が特徴の山で、「日高山脈襟裳国定公園」の中に位置します。私は2000年の夏にも同じコースで登頂していますが、当時頂上からは南十勝平野と釧路へ至る長い海岸線、広尾港、日高山脈が太平洋で終わる所、日高側の長い海岸線、様似市街、北へ続く日高山脈…360°の展望が得られました。そしてもう1つ印象に残ったのが、カラフルでユニークな山頂標識でした。今回もその両方を楽しみにして登りました。




 国道236号線(天馬街道)にある野塚トンネル東側の入り口手前およそ10km地点から、町道~農道~林道(楽古岳線)を経て「楽古山荘」に至ります。この山荘はメナシュンベツ川とコイボクシュメナシュンベツ川(旧地図では誤表記ニクボシュメシュウベツ川)の出合いにあります。二階建てで収容人数40人、管理人は不在で無料です。予約は不要ですが、必ず利用記入用紙を書くようにとのことです。薪ストーブ、トイレが有り、山荘前は広い駐車場で、テントも使える広さです。屋外に水場があり蛇口をひねると水が出ますが、沢水をろ過した水なので、エキノコックスを考慮して沸騰させてからの利用をお勧めします。管理者は浦河町(0146-22-2311)で、浦河山岳会有志の方々が保全に努めておられます。大切に使わせていただきましょう。

 コース前半はメナシュンベツ川を6回徒渉します。1番目はヒューム管を縦に応用した砂防堰を靴を濡らさずに渡れますが、2番目~5番目は完全に川の中を渡ります。実はこの春先の5月31日にも来たのですが、雪解けが遅かったのか水量が多く、1番目のヒューム管も水流の中で、4番目の徒渉に至っては水量水圧が凄くて全く渡れず、やむなく撤退をしました。ちなみに2000年の夏の時には足首ぐらいの水量で、逆にコケでよく滑ったと記憶しています。

 徒渉さえ過ぎれば、後は難しい所は有りません。登るだけです。今年は天候が不順で、私が休みの日にスッキリ晴れる日が殆ど有りませんでした。私は写真が目的の一つなので、今年は去年の半分も登っていません。この日は朝焼けが見事で、良い天気の一日になるだろうと予感しました。ところが徒渉を終えて登るにつれて曇り始め、頂上に到着した時には完全にガスで景色が見えない状態になってしまいました。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年9月6日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


 例の山頂標識は13年前と同一のものでしたが、さすがに年月を経て痛み具合が激しかったです。天気の回復を暫く待ちましたが晴れる気配は無く、ボケ味の美しい三角点の写真を撮って下山することにしました。丁度そのとき、年配の男性が一人登って来られて、近しくお話をさせていただきました。その方はMさんという札幌の方で、奥さんの運転で百名山と温泉を巡っておられるとのことでした。奥さんは山には登らずに、その間一人で温泉へ行っておられるとのことでした。温かく甘い紅茶を作ってご馳走して下さり、この場で改めて御礼を申し上げます。頂上からの景色は何も見えませんでしたが、色彩を感じる記憶が残せました。またどこかでお会いできれば嬉しいです。ありがとうございました。


【ガスの中、カレーライスの用意をするMさん。温かく甘い紅茶をご馳走になりました。 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年9月6日】


【おまけ:13年前の山頂標識 / 撮影日:2000年夏】



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/environ/parks/hidaka.htm
北海道 「日高山脈襟裳国定公園」

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/grp/01/04_kt_hidaka.pdf
北海道 「日高山脈襟裳国定公園 周辺マップ
(PDFファイル372KBです。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2013年7月11日木曜日

石狩岳 (北峰1966mまで)


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年7月11日】


 北海道の「石狩岳」に登ってきました。石狩岳にはピークが二つ有り、北峰ピーク1966m側に山名標識があり、それより1m高い最高地点の南峰ピーク1967m側には石が積まれているだけです。私は2001年9月24日にも同じ「シュナイダーコース」からこの山名標識がある北峰ピーク1966mまで登っています。今回も同じく北峰ピークまで登りましたが、木製の山名標識が当時と全く同一のもので、案外と長持ちするものだなと感心しました。なお、この山は「大雪山国立公園」に属し、上士幌町と上川町の町界に位置しています。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 音更川二十一ノ沢出合登山口へのアクセスは、十勝三股を通る糠平国道(国道273号線)の「三股橋」の横から「音更川本流林道」に入ります。ニペソツ山のような個別の登山ポストが登山口には無いので、林道入り口から90m地点にあるポスト(入林ポスト)に記入してから登山口へ行きます。ちなみに、音更川二十一ノ沢出合登山口を横目に林道を更に先へ進むと、岩間温泉露天風呂に至ります。

 シュナイダーコースは一箇所徒渉するところがありますが、この時季は川床の石が滑るので気をつけてください。基本的には細尾根の稜線上を辿り、時には両手両足を使い直登するような所もあるコースです。稜線の一部は崩壊しかかっている所があり、初心者向きでは無い所やロープ場もあります。前回は3時間半で登りましたが、今回はステディカムが片手を塞ぎ、しかもそれがハイマツなどにいちいち引っかかり、撮影時間も含めて倍近い時間がかかってしまいました。

 細尾根を登って到達した石狩岳と音更山を結ぶコルには、可憐なコマクサの群落があります。更に石狩岳直下には、不自然なほどに集中して咲く多様な花々のお花畑があります。到着した石狩岳北峰ピーク1966mからは「大雪山」、「トムラウシ山」、「十勝連峰」、「ニペソツ山」、「ウペペサンケ山」、「クマネシリ山群」、「音更山」など360°の展望を得られて疲れを忘れました。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年7月11日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


【おまけ:12年前の石狩岳山名標識】

■追記1:

 なぜ低い1966m側に山名標識があるのか調べていると、「昭和44年札幌山の会年報」(下記リンク)を見つけました。この5~6ページの中で、高沢光雄氏が深田久弥氏(1903~1971)らと、石狩岳と音更山の鞍部側から石狩岳に登った記事に、『測量点のある前衛峰を過ぎ、念願の石狩岳頂上に立つ』と書かれています。前衛峰とは北峰ピーク1966mのことで、当時はここに三角点のような測量点があったのではないかと推測されます。現在では三角点は隣の音更山に置かれているだけです。また、個人ブログ「シトサの山歩記」(下記リンク)を拝見すると、『9時30分、石狩岳1966m峰山頂に着く。狭い山頂には、石狩岳の標柱があるが、字は読みづらくなっている。ほかに三角点のような石柱と四角で平たい石版がある。少し休んで最高地点1967m峰に向かう。』と書いておられます。これは基準点の【盤石】と【柱石】の残骸なのではないかと思われます。更に、個人ブログ「一人歩きの北海道山紀行」(下記リンク)では、『この頂上の少し先にここより1m高い本峰があり、うっすらと見えているが、過去2回そこにも立っているので、今回はパス。三角点標石のような石が岩の上に立てられていたが、この山には三角点はない。隣の音更山に一等三角点がある。』と、写真つきで書いておられます。これらのことから推察するに、かつてはここに三角点のような基準点があり、最高地点では無いにもかかわらず、本峰的な扱いで山名標識が置かれているのではないでしょうか。国土地理院の「日本の山岳標高一覧」では1967mが石狩岳となっています。

 (参考:「昭和44年札幌山の会年報」⇒)

  http://ac-s.sakura.ne.jp/library/192/nenpo1.pdf

 (参考:個人ブログ「シトサの山歩記」⇒)

  http://4103.at.webry.info/201209/article_5.html

 (参考:個人ブログ「一人歩きの北海道山紀行」⇒)

  http://sakag.web.fc2.com/isikari13.htm


■追記2

 上記の「昭和44年札幌山の会年報」を見ていると、高沢光雄氏の記事の中に『石狩岳山頂の北側に坂本直行氏(北海道で有名な画家、1906~1982)から託されたヒマラヤの高山植物の種子を、深田先生(深田久弥、1903~1971)の手で大地に播かれる。何年先に発芽し実を結ぶことであろう。』とありました。今では在来種を駆逐するなど生態系に悪影響を及ぼすとして、外来種を自然界に人為的に播くことは許されませんが、この様なケースは当時よくあることだったのかも知れません。

■追記3

 石狩岳に登る前に三国峠へ立ち寄りました。ここからは十勝三股盆地の広大な国有林を一望することができます。実は十勝三股盆地は、太古には支笏湖のようなカルデラ湖だった所です。およそ50万年前、ここにあった火山が大爆発を起こして山体が吹き飛び、直径約10kmの「十勝三股カルデラ」が出現しました。そしてそこに水が溜まってカルデラ湖となっていましたが、その後のニペソツ火山群の火山活動による高温の火砕流の湖への突入堆積で完全に埋まってしまいました。広大な盆地状となった大地には徐々に植物が勢力を拡大し、やがて現在のような大樹林地帯へと変貌を遂げたのです。近代になり、あたかも枯渇することの無い林業資源であるかのように認識されたこの大樹林地帯は、特に戦後の木材需要で林業、鉄道、関連サービス業などが盛んになり、一時は十勝三股駅(海抜約660m)を中心に400戸1500人の大型集落にまで発展したのです。しかしその林業も現在は衰退し、国道273号線の開通で鉄道は廃線となり、二戸が残るのみで廃墟と土場跡が深い森の中に飲み込まれつつあるような状況です。三国峠から見る広大な十勝三股盆地の国有林は、あたかも何事も無かったかのように穏やかで静かに感じられました。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年7月11日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



リンク:

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「山行記録」
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http://www.daisetsuzan.or.jp/
大雪山国立公園連絡協議会 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/index.html
 環境省 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/intro/files/area.pdf
環境省 「大雪山国立公園 区域図」
(PDFファイル2.32MBです。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
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「北海道の山岳ニュース」
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2013年6月20日木曜日

樽前山 (外輪山一周)


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年6月20日】


 北海道の「樽前山(たるまえさん)」に登ってきました。この山は札幌から直線で南へ約42kmで支笏湖の南東に位置し、苫小牧市と千歳市にまたがる活火山です。標高は1,041mで「支笏洞爺国立公園」に属しています。「風不死岳」、「恵庭岳」とともに支笏三山の一つです。今回は「樽前山7合目ヒュッテ前(東山コース)登山口」から「外輪取付(東山分岐)」に登り、そこから外輪山を時計回りに一周しました。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 南北約1.2㎞、東西約1.5㎞の広大な火口原の中央には最大直径約450m、高さ約130mの巨大な溶岩ドームがあります。この溶岩ドームを「樽前山神社奥宮」から見ると、物凄い亀裂やもうもうと立ち上がる煙が圧巻です。また、西側火口原から見ると、黒く巨大な蟹の怪物のようにも見えました。あらためて北海道の大自然を体感できる興味深い一日になりました。「外輪取付(東山分岐)」までは、火山灰質の斜面にさえ注意すれば危険な箇所は有りません。森林限界を超えると視界を遮る物が全く無く、広大な国有林を見下ろしながらザレ場の高度を上げて行くだけです。外輪では火山ガスと霧による迷子とに気をつければ、家族連れや初心者でも気軽に登って一周することができるお勧めの山です。

 樽前山は7合目までは車で行けます。ただし、7合目の駐車場が満車の場合は5合目ゲートが閉まり、その手前の車道脇に邪魔にならないように駐車して、そこから登る覚悟が必要です。特に土・日・祝日は、午前中を中心に駐車場がかなり混み合うようです。なお、冬期は「道道141号線」と「市道樽前観光道路」が通行止めですのでこちらでご確認下さい。

 この登山口にある「樽前山7合目ヒュッテ」は、苫小牧市の管理です。市のホームページによると、『樽前山の良さを保ち、その良さを多くの人に知っていただく為に建てられました。通年管理人が常駐していますが、自然保護・防災・緊急避難的要素が高い施設である為、通常時の宿泊は受け付けていません。』とのことです。あくまで緊急避難小屋で、通常の宿泊は受け付けていません。なお、この登山口には水場が有りませんのでご注意下さい。トイレは駐車場奥にあります。樽前山の最高地点は溶岩ドーム上にありますが、現在は外輪山から内側の火口原への立ち入りが禁止となっており、外輪山のピークである「東山」が事実上の頂上となっています。この火山には、複数の機関による地震計・傾斜計・空振計・GPS・遠望カメラなどの観測装置が、「西山」ピークをはじめとして各所に設置されており、火山活動の常時監視・観測が行われています。

 ところで、支笏三山の中心にある支笏湖は長径13km、短径5kmのマユ型をした湖です。最大深度は約360mで、日本最北の不凍湖です。太古にはここに巨大な火山があって、それが大爆発を起こして陥没し、巨大な円形のクレーターを形成しました。そして、そこに淡水が溜まってクレーター湖が出来ました。その後、この湖を含む一直線の構造線上に「風不死岳」、「恵庭岳」、「樽前山」の順で支笏三山が生まれました。三山の中では「風不死岳」が最も古い山ということになります。円形だったクレーター湖は「風不死岳」と「恵庭岳」の誕生によってマユ型に変形し、現在の支笏湖の元になりました。余談ですが、「932m峰」は「樽前山」のピーク「東山」に対応して「北山」とも呼ばれることもありますが、実は「樽前山」より前に形成された独立した山体だそうです。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年6月20日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/index.html
 環境省 「支笏洞爺国立公園」

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/intro/files/area_1.pdf
環境省 「支笏洞爺国立公園(支笏・定山渓・登別)区域図」
(PDFファイル2.18MBです。)

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/intro/files/area_2.pdf
環境省 「支笏洞爺国立公園(羊蹄山・洞爺湖)区域図」
(PDFファイル1.25MBです。)

http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/shogyokanko/kanko/spot_nature_mt.tarumae.htm
苫小牧市 「樽前山」

http://vivaweb2.bosai.go.jp/v-hazard/L_read/12tarumaesan/12taru_1m06-L.pdf
樽前山環境防災副読本 中学生版 「たるまえ山楽学」

http://www.data.jma.go.jp/svd/volcam/data/volc_img.php
気象庁 「火山カメラ画像」

http://www15.ocn.ne.jp/~sikotuvc/
支笏湖ビジターセンター

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2013年6月7日金曜日

徳舜瞥山

【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年6月7日】


 北海道の「徳舜瞥山」(とくしゅんべつやま)に登ってきました。この山は、支笏湖と洞爺湖のちょうど中間、伊達市大滝区にある標高1,309mの古い火山体です。すぐ隣の「ホロホロ山」(標高1,322.4m)と双耳峰を成しています。山名の語源はアイヌ語で「トックシュンペツ」(アメマスの居る川)を意味するそうです。かつて中腹には日鉄鉱業・徳舜瞥鉱山があり、褐鉄鉱・硫黄を産出して室蘭製鉄所へ送られていましたが、1971年3月に閉山しました。なお、「徳舜瞥山」は支笏洞爺国立公園の区域外ですが、隣の「ホロホロ山」の頂上がちょうど区域界になっています。




 今回はその「日鉄鉱山跡コース」から登りました。この駐車場がある登山口は既に五合目地点です。この日は登山ポストが見当たりませんでしたが、登山名簿はどこでしょうか(2013年6月7日時点)。歩き始めの渓流は鉄砲水で削られたような状況で、次回来た時にはまた姿が変わっているのではと思われました。川床の石は褐鉄鉱の影響か褐色をしていましたが、水は綺麗でした。今年は雪解けが遅くて残雪があちこちにあり、雪の下が空洞になっていて何度か足で踏み抜いてしまいました。

 頂上からの視界は晴れていたので良好で、太平洋を隔てて渡島半島の山々、札幌近郊の山、ニセコ、羊蹄山まで見渡せる...はずが、湿度のせいか遠景は霞み、特に羊蹄山は全く見えませんでした。今回は「ホロホロ山」とのセット登山を予定していましたが、何しろ出発が遅かった上に「徳舜瞥山」の頂上でノンビリしすぎて、隣の「ホロホロ山」に登る途中で時間切れになってしまいました。ちなみに「ホロホロ山」へ至るコルの雪渓から見返した「徳舜瞥山」は、南面が結構な断崖で、一瞬「ニペソツ山」を思い出してしまいました。この後、帰り道の「道の駅フォーレスト276大滝」の隣にある「きのこ王国」に閉店ギリギリに飛び込んで、きのこ御飯ときのこ汁を食べて帰りました。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2013年6月7日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)

■追記1:

 今回は頂上直前でtarumae-yamaさんという方とお近づきになれて嬉しかったです。カメラに詳しい方のようで、私のカメラを一瞬見てD90(ニコン)と言い当てておられました。定年して、支笏湖周辺の山を中心に、年間100登ほどしていると仰っていました。すごい方です。後でご本人のブログ記事を拝見すると、 山での人との出会いを大いに楽しんでおられるのがよくわかりました。tarumae-yamaさんのブログ「デジカメ持って野に山に」の当日の記事(私たちの写真を載せていただき光栄です。相方は職場の山隊員U嬢(lotus)です。夫婦ではありません(笑)


 tarumae-yamaさんの直前に3人組の男女とすれ違いましたが、後日tarumae-yamaさんの記事から、2011年11月2日に私が積丹岳の頂上で遭遇したhirokiさんだったことが判明しました。hirokiさんはヤマレコの他に、姉妹サイト「Cycle-Ring」にサイクリング記録もアップしておられます。活動的な方です。(hirokiさんたちの写真も載っていました)


  hirokiさんご本人の当日の山行記録


 またどこかで皆さんとお会いすると思いますが、お互いに怪我には注意して長く楽しみましょう。

■追記2:

 この登山口へ来る2.8km手前、林道の入り口横に「徳舜瞥山麓キャンプ場」という牧草地のような無料キャンプ場があります。キャンプ場と言っても管理人はおらず、ヒグマが出没しますのでご注意下さい。そこにトイレと炊事場が有ります。




リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)