2011年11月2日水曜日

積丹岳


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年11月2日】


 北海道の「積丹岳」に登ってきました。国道229号線より「積丹岳登山口」の看板に従い林道へ入り、2合目半地点にある「積丹岳休憩所」に駐車して「婦美(ふみ)コース」を登りました。「積丹岳」は積丹町にある標高1,255.2mの山です。英語表記は「Mt. Shakotan」です。紅葉もすっかり終わった晩秋で、日陰には少し雪が積もっている所がありました。頂上からは積丹半島の最高峰、標高1,298mの「余別岳」を向かい側に仰ぎ、日本海や遠くに「羊蹄山」を望めました。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 「積丹岳休憩所」には、入山届、水場、トイレ、灯油ストーブ、24畳の畳部屋などがあり、よく管理された高床式の建物です。ここは予約なしで無料で利用できる事実上の山小屋です。積丹観光協会によると、期間は5月~10月となっています。(問合せ先:積丹観光協会 0135-44-2111)

 コースはピリカ台の辺りまでは、藪などで殆ど景色が見えません。その間に写真を撮っても殆ど同じ風景です。また、登り始めから頂上まで殆ど同じ斜度で登る感じになり、危険な箇所は特に有りません。ただ、この山は冬山としても有名で、2007年3月には、中腹に乗り入れていたスノーモービルが雪崩に巻き込まれて4人が死亡しています(参考URL:1)。また、2009年2月には、スノーボーダーが遭難死しています(参考URL:2)(参考URL:3)。林道入り口には、「万が一の捜索の際の費用は、一部自己負担となることがあります」と書かれていました。現在はスノーモービルの乗り入れは禁止となっています。

 積丹半島の海食崖景観は「ニセコ積丹小樽海岸国定公園」に属しています。これは、積丹半島の海食崖景観及びニセコ連峰の山岳景観を主要景観として、昭和38年7月24日に指定されものです。ニセコ連峰が含まれているなら、当然に積丹半島の「余別岳」や「積丹岳」も含まれていそうですが、なぜか蚊帳の外になっています。

 ところで頂上の地蔵が壊されていました。それを設置した人の思い、願い、祈りを思うと悲しいものがあります。ただ、北海道の山の良さは自然がそのままに残っている点に有り、それを楽しみに登ってくる人も多いです。そういった人や自然環境を思いやり、このような物は登山口に立てるなどの配慮があっても良かったのではないかとも思います。やっと頂上に着いて視界が開ける時に、その中央に「交通安全」の地蔵が陣取っているのでは、わざわざ人工物を見に来たのではないぞと反発する人もいることでしょう。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年11月2日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2011年10月13日木曜日

恵庭岳

【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年10月13日】


 北海道の「恵庭岳」に「ポロピナイコース」登山口から登ってきました。「恵庭岳」は支笏湖の北西に位置し、千歳市と恵庭市にまたがる標高1,319.6mの活火山です。「支笏洞爺国立公園」に属しており、「樽前山」、「風不死岳」とともに支笏三山の一つです。特徴的な岩塔部を頂く山容は、札幌の自宅からもはっきり確認することが出来ます。この山の最高地点がある頂上岩塔部(溶岩ドーム)は平成15年9月26日の十勝沖地震の影響と見られる大規模な崩落で登山道がなくなりました。現在も数ヶ所に大きな亀裂が入っており、いつ崩壊するか分からない為に、八合目と九合目の間にある「第二見晴台」から先への登山が禁止されています。平成16年6月11日には、登山が禁止されている山頂付近で登山者がヘリコプターで救助される事件もありました。くれぐれも登山禁止区域には入らないようにとのことです。




 登山道は直登も多く、土石流で削られたような歩きにくいところもあります。一部には明らかに初心者向けでないところもあり、設置された登山補助用ロープも工事現場用標識ロープ(黒と黄色の樹脂製ロープで、本来は工事現場を仕切るために用いるもの。決して荷重をかける用途に使用してはなりません。)か、登山専用でも結び目がコケで緑色に変質している状態で、体重を預けるのではなく補助的に使用するにとどめたいものです。また、他の登山者による過失落石にも注意が必要です。なお、「滝沢コース」と「西沢コース」の場合は、標識や登山道の整備もされていないのでご注意下さい。更に、駐車スペースでの車上荒らしが多発しているとの注意喚起がなされています。もしも何かがあった場合は、最寄の支笏湖温泉にある「支笏湖駐在所」(電話:0123-25-2144)にご連絡下さい。

 それにしてもこの日は秋を強く感じる山行でした。木々の葉が色付き、既に落ちた葉が山道を賑やかに飾っていました。眼下の支笏湖は、高所の第二見晴台からよりも、低い第一見晴台からの方が広範囲に見渡せました。この支笏湖は長径13km、短径5kmのマユ型をしています。最大深度は約360mで、日本最北の不凍湖です。この湖はカルデラ湖です。つまり過去にはここに大きな火山があったのです。それが大爆発を起こして陥没し、巨大なクレーターを形成して、今ではそこに淡水が溜まっているのです。この湖を囲む「恵庭岳」、「樽前山」、「風不死岳」の三山は、後に噴出して生まれた赤ん坊の山なのです。そのために円形だった支笏湖はマユ型に変形したのです。ちなみに「恵庭岳」の西に位置するエメラルドグリーンのオコタンペ湖は、「恵庭岳」の噴出物で沢が堰き止められて出来た堰止め湖です。周囲約5km、最大深度は約20mで、標高は支笏湖より300mも高いそうです。帰りに、道道78号線(支笏湖線)沿いのオコタンペ湖に立ち寄ってみましたが、紅葉に囲まれた静かな湖に私の心は癒されました。

 ところで、この恵庭岳の西南西斜面は、1972年(昭和47年)2月3日~13日に開催された札幌オリンピックで滑降競技のコースとして使用されました。そのためにわざわざ山腹斜面の樹木が広範囲に渡り伐採されたことは、オリンピックによる自然破壊として一部から批判を浴びることになりました。当時の総事業費は7億9,400万円で、男子用が全長2,636m、女子用が全長2,108m。平均斜度は17度2分で最大斜度は37度でした。観客収容能力は7,300人で、31人乗りのゴンドラを吊るすロープウェイも設置され、1時間に400人を運ぶことが出来ました。オリンピック終了後に植林が実施されたものの、現在でも航空写真で見るとその滑降コース跡がわかる程度の回復具合です。なお、この大会において日本は地元とあって大選手団を送り込みましたが、結果はジャンプ競技のメダル3個獲得(70m級ジャンプで笠谷幸生選手が金メダル、金野昭次選手が銀メダル、青地清二選手が銅メダル)のみに留まって終わりました。この会場で使われたゴンドラの内の二台は現在、登別クマ牧場の駐車場片隅にて倉庫として第三の人生を送っているとのことです。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年10月13日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


■追記:

 私がほぼ下山して駐車場に到着しようとするころ、ホイッスルや手を鳴らしながら降りてくる3~4名ほどの年配の男女がいました。その人たちの話によると、第二見晴台で、頂上岩塔部が崩れる音がするので見ると、そこにヒグマらしきものが取り付いていたそうです。それで慌てて降りて来たのだそうです。登山者の多い山ではありますが、ヒグマの生活圏に立ち入っていることをあらためて思い知らされました。



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/index.html
 環境省 「支笏洞爺国立公園」

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/intro/files/area_1.pdf
環境省 「支笏洞爺国立公園(支笏・定山渓・登別)区域図」
(PDFファイル2.18MBです。)

http://www.env.go.jp/park/shikotsu/intro/files/area_2.pdf
環境省 「支笏洞爺国立公園(羊蹄山・洞爺湖)区域図」
(PDFファイル1.25MBです。)

http://www.la84foundation.org/6oic/OfficialReports/1972/orw1972.pdf
LA84財団コレクション「札幌オリンピック冬季大会公式報告書」
PDFファイル43.2MBです。282ページに恵庭岳滑降コースの写真があります。英仏語です。)

http://8beat.com/ropeway/eniwa.htm
札幌オリンピック時のロープウェイ「オリンピック号」
(個人サイトです。全国のロープウェイ廃線跡を探索しておられます。)

http://www15.ocn.ne.jp/~sikotuvc/
支笏湖ビジターセンター

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2011年9月20日火曜日

ニペソツ山


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年9月20日】


 北海道の「ニペソツ山」に登ってきました。この山は標高2,012.9mで、2,000mを超える山としては国内で最も東に位置する山です。「大雪山国立公園」に属し、十勝管内の新得町と上士幌町の町界にあります。アクセスは、十勝三股を通る糠平国道(国道273号線)の「三股橋」の横から「音更川本流林道」に入ります。林道入り口から90m地点に山菜取り目的者など用の「入林ポスト」があり、十六ノ沢(杉沢出合い)登山口にニペソツ山登山者用の「登山ポスト」(衣装ケース)があります。

 私は2001年7月2日にも今回と同じ「十六ノ沢(杉沢)コース」からこの山に登っていて、今まで登った山の中で最も好きな山です。かの深田久弥は、「日本百名山」執筆後の1967年8月にこの山に初登頂しており、著書『山頂の憩い「日本百名山」その後』の中で、「日本百名山を出した時、私はまだこの山を見ていなかった。ニペソツには申し訳なかったが、その中に入れなかった。実に立派な山であることを、登ってみて初めて知った。」と記しており、まぼろしの日本百名山と言われています。私が前回登ったときは今ほど登山者が多くない秘峰で、個人的には「日本百名山」に入っていないのがむしろ幸運なことだとさえ思っていました。途中の岩場にはエゾナキウサギが多数生息していて、あまり人間を怖がらないように見えます。そして、「前天狗」から「天狗岳」越しに見る「ニペソツ山」は、まさに絶景!これを見ずして死すべからずです。「天狗岳」トラバースの下りからは、鋭い頂上に向かってこれから歩く登山道の全貌を一望することが出来ます。そして、頂上からは「ウペペサンケ山」、「十勝連峰」、「トムラウシ山」、「大雪山」、「石狩岳」、「十勝三股盆地」、「糠平湖」など、360度の展望が得られます。ただし、頂上で景色に見とれて東壁側(糠平湖側)へ寄らないように十分注意して下さい。足場崩落で墜落の可能性も否めません。それにしても、一度は必ず登っておきたい山です。

 余談ですが、エゾナキウサギという存在が世に知れ渡ったのは、初めて捕獲された1928年だそうです。ただし当初は置戸(おけと)村でカラマツの苗木を食害する「特殊野鼠」という害獣・珍獣としてでした。分類学上の種が明確になるのは後年のことです。なお、エゾナキウサギの存在は開拓民の間では既に明治から知られており、「ゴンボネズミ」と呼ばれていたそうです。ところが、はるか昔からこの地に先住し、エゾナキウサギの存在を知っていたと推察されるアイヌ民族ですが、その伝承にエゾナキウサギが登場したものは見つかっていないそうです。また、エゾナキウサギをあらわすアイヌ語も判明していないそうです。あの特徴的な可愛らしい鳴き声はオスとメスで違うそうですが、私にはさっぱり判別ができませんでした。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 ところで、10年前の私の全行程は7時間だったため、今回はプラス2時間ぐらいに考えていました。しかし写真や動画のロケハンや撮影に思ったより時間をかけていて、下山途中に日が沈んでしまいました。12時間かかって車に到着した時には19時になっていて、もしダイソーの100円懐中電灯が無かったらと思うとぞっとしました。良い勉強になりました。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年9月20日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


■追記1:

 ニペソツ山の南隣に「東大雪丸山」という活火山が存在します。単に丸山とも呼ばれますが、他の丸山と区別して「東大雪丸山」と呼ばれます。標高が1,692.1mで溶岩ドームが有ります。奇妙なことに1989年まで、ここに火山があることさえ認識されていませんでした。山頂から北西方向に爆裂崩落状の火口があり、噴気が出ています。また、山頂から南東方向の五ノ沢1,020m地点に、白い噴泉塔が成長しています。この噴泉塔は温泉が地表に噴き出し、炭酸カルシウム等の成分が堆積して白く固まり形成されているものです。この丸山南東側の噴泉塔はある程度有名ですが、実は丸山西側に広大な石灰華地帯があります。しかしアプローチが大変で学術調査も初期段階のようです。丸山には登山道は無く、五ノ沢を遡行するコースと六ノ沢を遡行するコースが、徐々に登山者により形成されつつあるようです。

(参考URL:⇒)

http://amaimonoko.at-ninja.jp/h-mtdata/taisetu/maruyama.htm

http://sakag.web.fc2.com/higa-maru.htm

http://sakag.web.fc2.com/hunsento.htm

http://www10.plala.or.jp/E746/096%20maruyama%20htm.htm

http://pub.ne.jp/pirikanupuri/?entry_id=4948543

 東日本大震災直後の北海道新聞2011年4月16日夕刊掲載の記事によると、『東日本大震災が発生した3月11日以降、震源地から500キロ以上離れた十勝管内上士幌町と新得町にまたがる活火山の丸山(1692メートル)周辺で、一時的に地震活動が活発化していたことが札幌管区気象台の観測で分かった。地震の規模を示すマグニチュード(M)1・0以上の地震は、4月14日までに98回発生。同気象台は大震災の影響とみており、国内最大規模の地震の威力があらためて浮き彫りになった形だ。札幌管区気象台によると、丸山周辺の地震で最も大きかったのは、3月11日に発生した東日本大震災翌日の12日午前3時のM3・1。付近に震度計がないため震度は観測されていないが、3月末までにM1以上の地震は93回に上った。ただ、今月に入ってからは14日現在で5回と、ほぼ通常レベルに戻った。』とあります。

■追記2:

 ニペソツ山に登る前に十勝平野の北部で日の出を迎えました。徐々に空が紺色から茜色、そして黄金色へと変化する初秋の静かな朝焼けに、心が洗われるような思いでした。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年9月20日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


■追記3:

 頂上で確認した二等三角点(点名:二屏卒山)は、転倒転落事故防止のために2012年9月に撤去されたそうです。ニペソツ山は標高がおよそ2013mのため、西暦2013年は数字が一致することから「標高年」として登山者が例年の二倍に達するそうです。



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.daisetsuzan.or.jp/
大雪山国立公園連絡協議会 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/index.html
 環境省 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/intro/files/area.pdf
環境省 「大雪山国立公園 区域図」
(PDFファイル2.32MBです。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

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「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2011年8月23日火曜日

暑寒別岳

【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年8月23日】


 北海道の増毛山地の主峰、「暑寒別岳」に登ってきました。箸別避難小屋の駐車場に車を駐車して「箸別コース」を歩き、標高1,491.6mの頂上に至りました。登山口には「登山ポスト」と「入林ポスト」の二つが並んでいて、山菜取り目的の方などが後者に届け出ます。この山は、7月に登った「南暑寒岳」とは隣同士です。今回は残念なことに、山頂に到達するころには小雨になってしまいました。「雨竜沼湿原」「南暑寒岳」「奥徳富岳(おくとっぷだけ)」「群別岳(くんべつだけ)」は見えているものの、七合目あたりで何とか見えていた「大雪山系~十勝連峰~夕張山系」も、山頂では見えなくなってしまい残念でした。ちなみに前回登った「南暑寒岳」は意外と特徴のない丘のような低い山で、知らなければ見落としそうな存在でした。また、東西4km、南北2kmにわたって広がる「雨竜沼湿原」も、ネコの額ほどの広さにしか感じられませんでした。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 以前に「南暑寒岳」に登った時にも書きましたが、この地帯は「暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園」に属しています。「暑寒別天売焼尻国定公園」には他に、雄冬から厚田にかけての海蝕崖、天売島の海鳥繁殖地、焼尻島の原生林などが属しています。なお、国定公園とは、国立公園に準じる景勝地として自然公園法に基づいて環境大臣が指定した公園です。国立公園が国の直接管理なのに対し、国定公園は都道府県が管理を行っています。

 この「暑寒別岳」で印象に残った植物は、何といっても「エゾノホソバトリカブト」です。紫がかった青い花が可憐ですが、特にその根には猛毒があり、アイヌはこれを狩猟用の毒矢に利用していたほどです。この毒は極めて強力で、熊や鹿を倒すことは言うに及ばず、鯨さえも倒せたそうです。この矢に触れて自らを傷つけた場合、直ちに短刀でその部分を切り捨て、毒を吸い出さなければ命にかかわりました。また、毒矢でしとめた獣の肉は、矢が刺さった部位を大きく切り捨て、残りの部分を十分に加熱して毒の加水分解を行ったのちに食したそうです。なお、春先の山菜取りでは、ニリンソウと間違えて同じキンポウゲ科のトリカブトを採取し、食べて死亡する事故があるので厳重な注意が必要です。

 ところでこの山もヒグマが生息している地域で、八合目あたりでも目撃されているそうです。事実今回も、七、八合目あたりのお花畑があちこち掘り返されていましたが、盗掘ではなくヒグマによるものです。また、登るときには無かった木の実交じりの大きなヒグマのフンが、下山時に七合目直下の笹薮の登山道にあり、写真を撮るか一瞬迷っている間に、足が勝手に逃げるようにその場を離れ過ぎてしまい、撮ることは出来ませんでした。とにかくここもクマ鈴必須で、音を出しながら歩くことが必要な場所です。

 余談ですが、7月に「南暑寒岳」に登った時に見えた「トトロ」模様の山「黄金山」を今回、登山口を目指して国道231号(オロロンライン)を増毛に向かって北上中に、石狩市浜益区で裏側から見ることが出来ました。「トトロ」模様は全く有りませんでしたが、プリンのような形は相変わらずで、どうしてこの山だけこのような意図的な形なのか不思議に思いました。なお、この山は「暑寒別岳」山頂からは「奥徳富岳(おくとっぷだけ)」と「群別岳(くんべつだけ)」の陰になって見えませんでした。

(「黄金山」(Panoramio投稿の自作写真)⇒)

  石狩市浜益区側から

  南暑寒岳頂上側から




【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年8月23日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)



リンク:

「山行記録」
(ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

北海道 「暑寒別天売焼尻国定公園」

北海道 「暑寒別天売焼尻国定公園 周辺マップ」
(PDFファイル844KBです。)

http://www.town.mashike.hokkaido.jp/menu/kanko/Mt.syokan/mtsyok.html
増毛町 「暑寒別岳」

 雨竜町 「観光情報」

http://www.yasei.com/ainutotorikabuto.html
北海道野生動物研究所 「アイヌとトリカブト」

北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
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「北海道の山岳ニュース」
(個人
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北海道警察 「安全登山情報」
(道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2011年8月4日木曜日

十勝岳 (上富良野岳まで縦走)


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年8月4日】


 北海道の「十勝岳(とかちだけ)」に登ってきました。この山は標高2,077mの活火山で、「大雪山国立公園」に属す「十勝連峰」の主峰です。今回のコースは「十勝連峰」の中の【望岳台~十勝岳避難小屋~十勝岳~上ホロカメットク山~上富良野岳~上ホロ分岐~十勝岳温泉「湯本凌雲閣」前】でした。私は2001年にも「十勝連峰」を二回に分けて登っています。2001年7月10日には【十勝岳温泉「湯本凌雲閣」前~上ホロ分岐~富良野岳分岐~富良野岳~富良野岳分岐~三峰山~上富良野岳~上ホロカメットク山~上富良野岳~上ホロ分岐~十勝岳温泉「湯本凌雲閣」前】のコースを、2001年9月3日には【望岳台~十勝岳避難小屋~十勝岳~美瑛岳~函状の沢~雲ノ平分岐~望岳台】のコースを、それぞれ歩いています。その二回とも登山口と下山口は同一でしたが、今回は登山口が「望岳台」で下山口が「十勝岳温泉「湯本凌雲閣」前」でしたので、そこからマイカーを駐車してある「望岳台」まで戻る足が問題となりました。


【3D地図で表示:FirefoxブラウザでないとGoogleEarthプラグインがうまくインストールできないようです。】



 コースを歩き終わって「湯本凌雲閣」前に到着し、そこででタクシーを呼ぼうとしたところ、迎車だけで3,000円も取られることが判明し、急遽予定変更。「湯本凌雲閣」前から上富良野町営バス(十勝岳線)を利用することにしました。このバスは一日に3本しかなく、最終は「十勝岳温泉凌雲閣バス停」を17:27分発でした。これを逃すと「望岳台」までの約8.8kmをすべて歩くことになります。ただし、このバスを利用しても「望岳台」までは行かず、途中の吹上温泉にある白銀荘の「吹上保養センター白銀荘バス停」までの利用となります。そこからは「望岳台」までの4kmを歩きました。ただ、運賃が「十勝岳温泉凌雲閣バス停」から「吹上保養センター白銀荘バス停」までの200円で済んだので、3,000円+αのタクシー料金のことを考えれば足取りも軽かったです。到着して下山記録を記入する時の「十勝連峰」は、夕日に美しく染まっていました。それにしても今にして思えば、マイカーに自転車を積んで行って、予め「湯本凌雲閣」前の無料駐車場に自転車を置いておき、下山時にその自転車を使って「望岳台」のマイカーの所まで戻るという方法もあったかも知れません。なお、この方法の場合、逆ルートにして「望岳台」から「湯本凌雲閣」まで自転車で走るのは、きつい上り坂になってしまうので避けた方が良いでしょう。

 さて、今回登ったところ、「十勝岳避難小屋」が新しくなっていました。後で調べてみると、2006年春に強風や積雪で壁と屋根が破損し、2008年に建て替えが行なわれたようです。その先の岩場を登り進むと、コヒオドシと思われる無数の蝶が風に乗って飛んでいる様子が幻想的でした(動画参照)。「グラウンド火口」まで到着すると、火口底に10人ぐらいの作業者が見えて、GPSか地震計と思われるものを設置しているようでした。東日本大震災から約5ヶ月なので、その影響で観測を強化しているのではと思いました(動画参照)。その先、「十勝岳」頂上に到着すると、多くのアマツバメが猛烈なスピードで飛び回っていて、見ているだけで爽快な気持ちになりました(動画参照)。

 そういえば「十勝岳」の頂上には、浄土真宗の「光顔巍々(こうげんぎぎ)」と書かれた大理石柱が昭和17年から突き建てられています。「かみふらのの郷土をさぐる会機関誌」の11号14番記事によると、『昭和十二年二月二十八日西本願寺第二十三世法主大谷光照貌下が来村し三月一日十勝岳にスキー登頂され、山岳スキーを楽しまれると共に十勝岳の大自然に満足される。二日後の三月三日にも聞信寺に御立寄り光栄に浴した時に、門上浄照師は十勝岳を仏教の霊山としての開発に積年の悲願と努力を申し上げ、十勝岳山頂の霊とすべき碑に光顔巍々の文字を所望し揮毫を懇願申し上げたところ、大谷光照貌下は永年の御苦労を讃えながら御快諾をされたのです。大谷光照貌下が揮毫された書は、同年三月末に聞信寺に送付されてまいりました。その書には墨跡あざやか「光顔巍々」とありました。』とあります。我が家も仏教ですが、今にして思えば、アイヌの神の地にいかがなものかと思います。

 ところで余談ですが、「大雪山」を何と読むか悩むことがあります。「たいせつさん」「たいせつざん」「だいせつさん」「だいせつざん」…悩みます。「大雪山国立公園」は環境省(自然保護局国立公園課)の管轄で、「だいせつざんこくりつこうえん」というのが公式な読み方です。英語表記でも「Daisetsuzan National Park」となっています。ところが、国土交通省(国土地理院)では「大雪山系」を「たいせつさんけい」と公式に表記しています。二つの役所で別々の読み方をしたのが今日の混乱の原因のようです。なお、北海道のテレビ局では国立公園名のみ「だいせつざんこくりつこうえん」と読み、その他では「たいせつざん」と読むようです。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年8月4日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


【おまけ:10年前の十勝岳避難小屋①】

【おまけ:10年前の十勝岳避難小屋②】

【おまけ:10年前の十勝岳避難小屋③】



リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.daisetsuzan.or.jp/
大雪山国立公園連絡協議会 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/index.html
 環境省 「大雪山国立公園」

http://www.env.go.jp/park/daisetsu/intro/files/area.pdf
環境省 「大雪山国立公園 区域図」
(PDFファイル2.32MBです。)

http://www.data.jma.go.jp/svd/volcam/data/volc_img.php
気象庁 「火山カメラ画像」

http://www.kamifurano.jp/nature/tccors
かみふらの十勝岳観光協会 「十勝岳」

http://www.town.kamifurano.hokkaido.jp/index.php?id=1522
上富良野町営バス路線案内

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
 (森林保護員が発信する活動日誌です。)

http://www2.shogo.com/yoshikatsu/sangakunyusu/sangakunyu-su.htm
「北海道の山岳ニュース」
 (個人サイトです。北海道内の山岳関連のニュースをまとめておられます。)

http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
北海道警察 「安全登山情報」
 (道内の山岳遭難発生状況の統計などがあります。)



2011年7月26日火曜日

芦別岳

【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年7月26日】


 北海道の「芦別岳(あしべつだけ)」に「新道コース」から登ってきました。富良野市山部西19線の貯水池前にその登山口はあります。車は登山口の車道を挟んで反対側にある石碑前に駐車しておきます。私は2001年8月6日にも同じコースから登っていますが、当時には無かった柵が入り口に張り巡らされていました。その柵のチェーンをはずしてコースに立ち入ります。この「芦別岳」は「夕張岳」などとともに「夕張山系」に含まれ、それは更に「桂沢湖」や「シューパロ湖」などとともに「富良野芦別道立自然公園」に属しています。その総面積は35.756haで、その区域は夕張市、芦別市、三笠市、富良野市、南富良野町の4市1町にわたっています。「芦別岳」の山頂は富良野市と南富良野町の境界になっています。




 コース全体として特に難しい所はありません。強いて言えば、コース途中に岩斜面のロープ場があるのと、頂上直下の道が二手に分かれていて右が直登で両手を使うことです。なお、左は巻き道で楽です。この時季は「熊の沼」あたりから花が豊かな山です。そして「雲峰山」からは「芦別岳」やユーフレ本谷対岸の「夫婦岩」を客観できます。天気のよい日に登ると楽しい山です。コース途中の「半面山」には熊よけの鐘があり、鳴らした方がよいでしょう。



【自作写真:ポントナシベツ岳斜面で食事をするヒグマ / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年7月26日】


 標高1726.5mの「芦別岳」頂上からは360°の展望を得られ、「富良野西岳」~「夕張岳」までの夕張山系、「上富良野町」~「富良野市」までの平地、「ユーフレ本谷」を直下に見下ろすなどが楽しめます。また今回、頂上から南南西方向にある「ポントナシベツ岳」の斜面に、600mほどの直線距離でヒグマを観察することができました(写真参照)。クマ鈴必須の山です。そういえば、前回に登った時には、登山口から登り始めて直ぐに、突然笹やぶが大きくザワついて何者かが逃げて行き、大変に驚かされた思い出があります。結局、その姿は見えませんでしたが、かなり大きな動物の存在を感じました。また「熊の沼」の周りに大きなヒグマの足跡が点在するのを見つけて、引き返すかどうかを本気で悩んだものです。この山域はヒグマの日常的な生活圏の中にあるのだということを強く思い知らされます。今回の柵の理由もこれでしょうか。



【自作写真:Panoramioに投稿した自作写真 / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年7月26日】
(写真の右端をクリックすると、次の写真を見られます。中央をクリックすると大きなスライド写真で見られます。)


■追記1:

 午前4時頃、芦別岳へ向かってシューパロ湖近くを走行していたところ、エゾシカが飛び出してきました。想定内のことではありますが、やはり気をつけて走行する必要が有りますね。エゾシカ衝突事故は10月~1月、次いで4月に多く発生しているそうです。時間帯としては16~20時、4~6時に集中しているそうです。


【自作動画:YouTubeに投稿した自作動画(7回繰り返し) / 撮影機材:Nikon D90 / 撮影日:2011年7月26日】


■追記2:

 この「芦別岳」では1952年(昭和27年)6月、道立芦別高校教師(26)が山岳部生徒6人を率いて「旧道コース」から入山し、夫婦岩直下の絶壁をザイルも無しに登攀をさせ、生徒の1人を250m下の谷底まで転落させました。ところが、救助活動をするどころかそのまま登攀を継続させ、更にもう1人の生徒も同地点で転落させました。2人は死亡し、他の生徒と共に絶壁で動けなくなり、下山に成功した他の生徒2人の通報で翌朝救助されて、業務上過失致死により逮捕されました。東京教育大学山岳部出身で登山の知識が豊富であると吹聴していたものの、実は殆ど経験が無く、何の道具も準備も無しに登山して道に迷い、絶壁でも引き返さずに安易に強行したものです。禁固6ヶ月を求刑されましたが、批判を受けて居づらくなり学校を転々とするなどの社会的制裁を受けているとして、地裁は3万円の罰金刑判決でそのまま確定したそうです。

  (参考URL:⇒)




リンク:

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-19924-data.html
「山行記録」
 (ヤマレコに投稿した自作山行記録です。)

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/environ/parks/furano.htm
北海道 「富良野芦別道立自然公園」

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/grp/01/07_dr_furano.pdf
北海道 「富良野芦別道立自然公園 周辺マップ
(PDFファイル1.03MBです。)

http://yabusaka.moo.jp/hukuokadai-higuma.htm
「福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件」
(実際にあった国内有数のヒグマ事件です。猟奇的な内容が含まれますので、自己責任の上でお読み下さい。)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AF%9B%E5%88%A5%E7%BE%86%E4%BA%8B%E4%BB%B6
ウィキペディア 「三毛別羆事件」
(実際にあった国内最悪のヒグマ事件です。猟奇的な内容が含まれますので、自己責任の上でお読み下さい。)

http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/koho/koho_net/gss-blog/index.html
北海道森林管理局 「森林保護最前線!グリーン・サポート・スタッフBLOG」
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